物書き的デジタルメモ『ポメラ』使用感

 二週間ほど前、ずっと気になっていたメモ特化機器、ポメラを買いました。いろいろバージョン出てますが、選んだのは、最新機DM25の一世代前のDM20。製品の公式サイトは、以下です。

DM20 | デジタルメモ「ポメラ」 | KING JIM

 どうせなら、ってことでフラグシップな位置付けのDM100も候補には上げていたんですが、店頭で実物を見たところ手に余しそうに感じたこと、「ポメラっちゃ折りたたみでしょ!」というミーハー心、懐事情との兼ね合いで型落ちモデルのDM20に落ち着きました。

 創作のネタ帳に加え、本文もこれで書ければと思い、PCやスマフォ+物理キーボードで十分やん、と主張する理性を抑え、どこぞのネットショップでお値段約一万円ナリ。こちら(過去作紹介:想い想われ片想い - Lilie Egoistica)の後編のほとんどをこれで書きました。その上で、所感をば。

いいところ

  • 電池のもち。二三日くらいは、残量を気にせず書ける。公称20時間。
  • ホントにメモ機能のみなので、他事(ネット海乗りとか)に浮気しにくい。
  • 外でご飯食べながら気楽に取り出せる。
  • ベッドに寝転がりながら触れる。
  • 大枚はたいた以上使わなきゃ、って(貧乏臭い)モチベに繋がる。
  • 最初は不安だったキーボードも、運指に慣れればそれなりに打てる。

きになったところ

  • IMEが弱い。SSじゃ多用しがちな「……」や「──」、ちとややこしめの漢字が変換で出てこない。辞書登録必須。逆に言えば一度登録してしまえば問題なし。ただし(一文字音訓読みを試しても)変換で出ないってことは、その単語を含んだテキストを外部から持ってくるか、文字コードを直接入力しなきゃいけないわけで、ひと手間ある。
  • 下から遡って単語を検索すると、あるはずなのに見つけられないことが多々ある。上から調べれば、大丈夫なもよう。
  • キーボードのみ、簡易メモ主体の設計思想のためこれはまったくもってしょうがありませんが、本文が長くなってくると、画面に収めたい箇所をPgUpやPgDnでぽちぽち探していくのが少々面倒。
  • 対応文字コードがShift-JISのみ。買う前から判ってましたが……。

 語彙力まだまだ乏しいので、シソーラスにはお世話になりっぱなしである以上、結局、書いてるあいだ常にネットに繋がった何かがそばにありますが、やっぱり集中度はそこそこ変わります。宝の持ち腐れにしないように、しなきゃなァ。

過去作紹介:想い想われ片想い

「想い想われ片想い 前」/「fujifun」の小説 [pixiv]

「想い想われ片想い 中」/「fujifun」の小説 [pixiv]

「想い想われ片想い 後」/「fujifun」の小説 [pixiv]

 『Wake Up, Girls!』二次創作SS、五作目。初の連作。

 本編終了後で、島田真夢を好きになった七瀬佳乃と、七瀬佳乃を好きになった岡本未夕を主軸に、みんなの片想いがテーマ。

 放映時より、よぴまゆ一辺倒だったんですが、Twitter上、よぴみゅーの魅力を伝えるツイートをお見かけしたことがきっかけになりました。真夢を好く佳乃を好く未夕を好いていく佳乃(カップリング記法で書くと、みゅ→よぴ→まゆ⇒みゅ×よぴ、あたりでしょうか。片想いの矢印と関係性の推移の矢印の区別が曖昧)という構図が、言われてみると、実にいじらしくて僕はもう! って感じで……。

 可能性の一部を示して終わらせるつもりが、気付いたら、結構な分量になりました。特に後編がかつてない難産で、けれどそれだけに超絶楽しんで書いてました。枝葉のシーケンスも、各キャラクターの考え方も、根底の主題も趣味てんこ盛りだから、「そりゃいかがか」と自問しつつ。

 後編結末近く、佳乃は、それまでの経験の集積に、ともすると、いわゆる『キャラ崩壊』寸前かもしれない変化をします。それは重大なブレであり、と同時に何より成長でもあると考えているのですが、はたしてはたして。

過去作紹介:ふたりのあいだを隔てるもの

「ふたりのあいだを隔てるもの」/「fujifun」の小説 [pixiv]

 『Wake Up, Girls!』二次創作SS、四作目。

 『アイドルの祭典』終了直後、東京を舞台に、岩崎志保の島田真夢との向かい合いがテーマ。

 WUG百合の冥府魔道へようやっと踏ん込んだ一作目。フデを取ったときは、少なくとも明言するつもりはなく、志保の真夢に抱える愛憎入り交じった微妙なキモチを冷静に書けたら、と考えていましたが、二ヶ月くらいかけて展開をこねているうち、「やっぱし、しほっちはまゆしぃにベタ惚れでしょう!」っていう百合好き特有の断定が鎌首をもたげてきて、そういう話に。

 しほまゆにしろ、まゆしほにしろ、ごつい百合の波動がたゆたってます。ちょっとやそっとでは埋められない距離感がまた、かぐわしい淡い悲恋の香りを漂わせていて、心をばきばきに砕きます。

 SSの結末、志保は結論と納得を割かし勝手に見つけて折り合いをつけますが、でもそれは彼女にとっての前進で、けれどまた一歩を、更に踏み出して欲しいと思いながら、キーを叩くのをやめました。

過去作紹介:牡牛座A型、十七歳

「牡牛座A型、十七歳」/「fujifun」の小説 [pixiv]

 『Wake Up, Girls!』二次創作SS、三作目。

 よっぴー生誕祭ってことで、誕生日ネタを一本、と書き始めたんですが遅れに遅れ。

 当時公式ブログで紹介されたWUGちゃんたちによる心こもったサプライズお祝いには、遠く遠く及びません。いまとなっては、七人全員にセリフを少なくともひとつは設けた習作的意味合いが強いです。

 最後の佳乃独白シーケンスに、個人的な独善的アイドル観がちらついていますが、これはまたいずれ……?

過去作紹介:出来損ないの為の歌

「出来損ないの為の歌」/「fujifun」の小説 [pixiv]

 『Wake Up, Girls!』の二次創作SS、二作目。

 劇場版後半、匂当台公園ライヴのすこし前あたりで、『I-1 Club』を追われた仙台出身の無名元アイドル少女(オリキャラ)が菊間夏夜と邂逅、彼女たちのパフォーマンスを目の当たりにしてちょっぴり Wake Up する話。

 こんなこと、もう誰しもが──それこそ園児のころにはそのまま遊びとして、遅くとも高校受験に際して大抵真に迫って経験する──あって当然なんだと知っている『椅子取りゲーム』ですが、やっぱり心が弱いのと精神年齢が低いのとで感じ入っちゃう部分が多大にあります。

 本編中、本編外を問わず白木GMに切られていくたくさんの名もない『お払い箱ちゃん』たちはもとより、応募者二〇人のなかから選りすぐったというオーディションに落ちた名も知れぬ一九九三人(その経緯とともに報道された方もいらっしゃいますが)のことを思うと、胸が詰まされちゃいます。甘っちょろい価値観だって、自覚はしているんですが、持てる力を出し切った上で『だめだった人』って、その人が(物語の登場人物になんてなれないくらい)平凡であればあるほど、物凄く魅力を感じます。

 真夢のようなドラマもなく、淡々と挫折させられた、そんな『だめだった人』のひとつの救済がテーマでした。珍しく本物原稿用紙に鉛筆を歩かせていたそのころ、ちっとばかし塞ぎ込みの渦中にあったこともあり、自己嫌悪と自己憐憫の内観文がちょっとしつこいです。

 アイドルとは何ぞや論に片足つま先だけ突っ込んでみていますが、正面切ってカタチにしたい部分であり、そんな簡単に結論付けていいのかって怖さもある部分でもあり……。

過去作紹介:雪雲の上は

「雪雲の上は」/「fujifun」の小説 [pixiv]

 いまもっとも傾倒している作品、『Wake Up, Girls!』の二次創作SS。

 アニメ本編放映中に書いたもの。七瀬佳乃と島田真夢との一悶着がテーマ。

 本作の最初に惹かれたのが、登場人物がみんな心にのっぴきならないイチモツを抱えてそうなところで(事実抱えている)、なかんずく真夢のそれと、佳乃の彼女へ抱くモノが、当時いっとう魅力的でした。藍里を連れ戻しに行く電車のなか、ぽかんとする真夢のとなり、おでこの影も激しく俯き黙りこくる佳乃! 来たるべきよぴまゆバトルに思いを馳せる日々でした。

 そのバトルを書いてみたくってキーを叩いた結果が、このWUG二次創作の処女作ですが、いま読み返すと、いろいろ強引だったり、真夢の方から反撃のない点が気になったり。

 しかしこのふたりは、最終話を迎えて以降も、いや迎えてからより、たまんない関係性を僕らワグナーに見せつけてくれますね……もう一度、腰据えて挑みたいカップリングであります。

最初のあいさつ

 はじめまして、 fujifun と申します。

 用事のある日の朝の二度寝よりも百合が好きな、物書き(主に二次創作)です。

 本ブログは、諸々の覚悟のなさから一歩踏み出せないでいた同人活動をハジメルべく、その退路の遮断を第一義にしつつ、周辺の話題の雑記としていけたら、と考え立ち上げたものです。

 SSをアップロードしている pixiv のページは、以下です。

 pixiv.me/fujifun

  よろしくお願いします。